今月の本: |
『背教者ユリアヌス』(辻邦生)※前半 |
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実施日時: |
2013年6月29日(土)14:00〜17:00 |
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今月の会場: |
サンライフ練馬 第二和室
西武池袋線中村橋駅・徒歩5分 |
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参加費 : |
350円(会場費・資料コピー代に補填します) |
懇親会 : |
終了後希望者で懇親会を行います(会費2500円程度) |
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今月と来月の2回で辻邦生著作『背教者ユリアヌス』を取り上げます。
この物語は紀元334年秋からローマ帝国を舞台にして展開されていきます。
紀元293年に始まった四分割統治(テトラルキア)制度下で副帝であったコンスタンティヌスは4皇帝並立の混乱期を経て、324年にローマ皇帝に就きます。彼は首都をビュザンティオンに遷都。古代から続くローマ帝国が西方中心から東方中心の国家に変質する時代を迎えます。
また彼はキリスト教の洗礼を受けた最初の皇帝となり、キリスト教を国教に定めて、結果的には古代ローマからの文化と神教が衰退へ向かう端緒にもなりました。
大帝と呼ばれていたコンスタンティヌスの死後、帝国は3分割され3人の子供達がそれぞれ正帝となります。この時、コンスタンティヌス大帝の弟であったユリウス一族が3兄弟の疑心暗鬼から一族抹殺を画策されます。
ユリウス一族の中でかろうじて虐殺を免れたのが年少であったガルスとユリアヌスの幼い兄弟でした。
その後、3正帝時代が短く、叛乱等を経て次男コンスタンティウスに権力が集約されていきます。
ユリアヌスは暗殺の危険に晒されながらも、多くの友人や学問の師匠を得てギリシア哲学を愛する青年へと成長していきます。その間もローマ帝国は内紛と暗殺、外敵との戦争が続き、政治的にはエウビウスを筆頭とした宦官が暗躍。私腹を肥やす輩が跋扈し、癒着と驕慢が蔓延する伏魔殿と化していました。
ユリアヌスの兄ガルスは一族の復讐を忘れずに生き抜き、皇帝となっていたコンスタンティウスの皇族による統治の考えによって副帝の地位と皇帝の妹コンスタンティアを妃として西方ローマの統治を行ないます。しかしコンスタンティアの野望と自身の驕慢さから皇帝への謀反の疑いをかけたれて処刑されます。
そして、政治への野心も興味も全く持たないユリアヌスに副帝の使命が舞い込んできます。その陰にはコンスタンティウス皇帝の疑心暗鬼、そして皇妃エウセピアとユリアヌスとの運命的な出会いがありました。
皇帝のもう一人の妹ヘレナと結婚させられて、西方に位置するガリア統治のために若き哲学青年ユリアヌスが任地へと赴いて行きます。
のちに背教者と呼ばれることになるユリアヌスの人生はどのように展開されていくのでしょうか。
彼が現実にどのような人生を送ったのか。
ユリアヌスが生きたその根底には何があったのか。
なぜ彼は背教者と呼ばれるようになったのか。
その背景にはどんな人達のどのような思いが渦巻いていたのでしょうか。
入手しやすい中公文庫版で上中下の3巻の長編作品でもあります。
今月来月の2回でじっくりと読み込んでいきたいと思います。
当日のご参加もお待ちしております。
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