今月の本: |
『八月の光』(フォークナー) |
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実施日時: |
2016年8月20日(土)14:00〜17:00 |
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今月の会場: |
練馬区勤労福祉会館 和室(小) 西武池袋線大泉学園駅・徒歩3分 |
参加費 : |
250円(会場費・資料コピー代に補填します) |
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懇親会 : |
終了後希望者で懇親会を行います(会費2500円程度) |
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この作品は3つのストーリーから構成されています。
主たるストーリーとして、アラバマからミシシッピまで4週間歩いてきたリーナの話で始まります。
リーナは臨月に近い妊婦である。アラバマに住む20歳のリーナはルーカス・バーチと出遭い、妊娠する。バーチは3人で暮らすために仕事を探すという理由で町を出るが消息がわからないためリーナはバーチを探してミシシッピ州ジェファソンの製板工場にいると聞いて訪ねてきた。しかしバーチはいなくてバイロン・バンチという男がいた。リーナはバンチの口から製板工場で働いていたジョー・クリスマスとジョー・ブラウンという男達の名前を聞き、ブラウンがバーチであると確信してブラウンに会おうとする。リーナに一目惚れをしたバンチはリーナのそばにいるようになる。
ジョー・クリスマスは小説が始まる時点の3年前にジェファソンに来て、製板工場で職を得ていた。彼はクリスマスの夜に孤児院の前に置かれていた孤児であった。不遇な少年時代を経てジェファソンの製板工場に流れ着いていた。彼は自分の中に黒人の血が混じっていると思っている。また周囲からもそう思われることで犯罪の道に迷いこんでいく。
ゲイル・ハイタワーはジェファソンにある教会の牧師であったが、彼の妻が不倫を犯し自殺したことによって牧師の職を解かれた。彼はその後もジェファソンに留まるが町の人々から疎外され交際があるのはバンチのみであった。
様々な事件を経ながらこの3つのストーリーが次第にひとつの話にまとまっていく。
作品の時代と舞台は南北戦争後のアメリカ南部。
人種、宗教、思想の違いが人々の人生に色濃く反映され、共同体も犯罪も共存か対立という構図であらわれている。
人間の疎外と孤立をテーマにしたともいわれる作品をじっくりと読み進めてみたいと思います。
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