プロセキュート
【第15回】実施内容
テーマ : 『黒い町』(ジョルジュ・サンド)
実施日時: 2006年6月24日(土)14:00〜17:00
今月の会場: 練馬区貫井地区区民館 
東京都練馬区貫井1-9-1
※西武池袋線・中村橋駅から徒歩5分
ジョルジュ・サンドの「黒い町」は女性初の産業小説といった触れ込みで書評されることもある作品です。この表現はこの作品が陽の目を見たのがジョルジュ・サンドの死後百年以上も経過したことや彼女自身が産業革命をテーマとした評論や論文、社会主義小説等を発表しているという背景とも関連していると思います。
ただ必ずしもこの作品を正しく表現しているとは考えにくい面もあります。

作品の発表は1860年。フランスにおける産業革命の時代です。舞台は鉄鋼の町ティエールです(明言はされていません)。
主人公はセテペと呼ばれる他の土地から移り住んできた20代の若き男性刃物職人と、この土地で生まれ育った孤児のトニーヌ。
二人は人生に惑い失敗も繰り返しながら、自身の生きる道を懸命に探し実践を続けていきます。
その最終章に待っている結末とは...?

事業を経営することの意味とは、社会の持つ善悪の両面に対する人間のあり方とは...産業革命の時代にすでにこうした考察が行なわれていたことに敬意を拝しつつ自分自身の課題と重ね合わせながら読み進めたいと思います。

当日の様子など: 前半を彩るセテペとトニーヌの心と心のやり取りをどう感じるかという点についての個人差が180度違うのには正直びっくり(*^_^*)
言葉では言い表せない愛情の交歓を行間に読み、二人のまどろっこしさと素直でない相手の心をつかみきれない切なさを「みごとな描写!」と賞賛する声が上がる一方で「もたもたした単なる恋愛小説かと思った」という声も。これもジョルジュサンドの狙い(*^_^*)かな?
「井伏鱒二の作品のような労働者の実態を描いた作品かと思って読んでいたらどこまでいってもそんな描写が出てこなかった」という声もありました。書評や書籍の帯のキャッチコピーが本意を表していない典型的な実例かもしれませんね。

 http://prosecute.way-nifty.com/blog/2006/06/post_0b57.html

ディスカッションした主なテーマ: ・執筆当時の時代背景の最大の特色は産業革命。
・産業革命以前は組織で仕事をするという意識はほとんどなかったのではないか。
・言い換えれば従業員と経営者という区別が明確になり経営の意識を持たないサラリーマン感覚の始まりともいえないか。
・『黒い町』のテーマとはすべての人が幸せに暮らす共同体理想郷の側面があるのでは?
・ジョルジュサンドの人生
・セテペとトニーヌの生き方が前面に出たり入ったりする。後半はセテペの存在が希薄になる(^_^;)
・優秀な技術者、社員が必ずしも経営者に適さないという事例が19世紀にすでに指摘され、経営者になるよりも一工員でいるほうが裕福な生活ができるという皮肉は現代にもそのまま継承されている。
・どちらかといえばセテペの心象風景の描写に対してトニーヌの心の動きは詳しく描かれていない感がある。
・ジョルジュサンドの人生観はトニーヌに投影されているのではないか。
・旅先でのセテペの態度の豹変ぶりはあからさま過ぎて赤面してしまう(^_^;)が、まっそういうことも現実によくあるかも。
懇親会 : 終了後希望者で懇親会を行いました(*^_^*)

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