今月の本: |
『レジリエンス 復活力』(アンドリュー・ゾッリ他) |
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実施日時: |
2014年10月25日(土)14:00〜17:00 |
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今月の会場: |
向山庭園 和室(第2)
西武豊島線/大江戸線としまえん駅徒歩3分 |
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参加費 : |
350円(会場費・資料コピー代に補填します) |
懇親会 : |
終了後希望者で懇親会を行います(会費2500円程度) |
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「レジリエンス」。
近年時折り耳にするようになった言葉の一つですが、使われている意味はかなり広い定義、といいますか使う人や分野によって様々な意味合いを持たせている概念のように感じる言葉です。
この「レジリエンス」を表題にした書籍が今回取り上げる『レジリエンス−復活力−』です。副題には「あらゆるシステムの破綻と回復を分けるものは何か」との文章が添えられています。
レジリエンスという言葉は元々は物理学の用語と言われており「外的要因に対する歪み(ストレス)」の対語とされています。
心理カウンセラー等が使うと心的ストレスに対する耐久力、防衛因子という意味であることが多く「折れない心」という側面が強調されているように感じます。
本書の日本語タイトルである「復活力」も必ずしも適切な言葉ではないかもしれませんが、かなり苦心して約したんだろうなと感じます。
様々な解釈がなされている「レジリエンス」という言葉ですが、共通しているのは「脆弱性」に対する反対概念であるという点です。
本書では様々な分野で使われる「レジリエンス」という言葉を俯瞰しながら、個人、集団、そして社会システムにおける脆弱性に対するレジリエンスの果たす役割とそのあり方が考察されています。
ある意味で、豊富な様々な分野の事例の考察を経ながらレジリエンスの概念を読者自身が熟成する過程を経ているような側面があります。
そのうえで個人、集団、社会システムをいかにしてレジリエンスの高いものにしていくのか。その点が本書の大きなテーマの一つになっています。
ライフスタイルや価値観の多様化が進む現代において、私達が拠って立つ生き方も念頭に置きながら読み進めてみたいと思います。
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