今月の本: |
『アルケミスト−夢を旅した少年−』(パウロ・コエーリョ) |
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実施日時: |
2010年10月30日(土)14:00〜17:00 |
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今月の会場: |
西武池袋線大泉学園駅・徒歩3分
勤労福祉会館 和室(小)
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参加費 : |
350円(会場費・資料コピー代に補填します) |
懇親会 : |
終了後希望者で懇親会を行います(会費2500円程度) |
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今回はブラジルの作家パウロ・コエーリョの作品を取り上げます。
桂冠塾でのラテンアメリカ文学作品は『百年の孤独』に続く2作品目です。
「でも、僕は彼らが住む町の城を見たいんです」
そう言って、今住んでいる場所での生活が一番だという父親を説得して羊飼いになった少年サンチャゴ。
羊飼いの仕事や移動生活、書物から多くのことを学びながら2年を過ごし恋心を抱いた娘に会う4日前のこと。2度見た夢の意味を知ろうとして会った占い師とセイラムの王からエジプトのピラミッドのそばに宝物があり彼のことを待っているという予言を受ける。
サンチャゴは前兆を信じて、アンダルシアの平原を離れてエジプトのピラミッドに向けて船に乗る。
60頭の羊を持っていたサンチャゴは6頭をセイラムの王に渡し、残りの羊を売ったお金を持っていたがアフリカに着いてすぐに出会った男に盗まれてしまう。絶望の淵に立たされるサンチェゴだったが、その時セイラムの王が言った言葉を思い出す。
「おまえが何か望めば、宇宙のすべてが協力して、それを実現するように助けてくれるよ」
彼は自分が新しい場所を知りたいと願っていたことを思い出し、どの羊飼いよりも遠くまで旅していることを発見する。そして自分が惨めな犠牲者なのか宝物を探し求める冒険家と考えるか、どちらかを選ぶ選択に迫られていることに気づく。
「自分は宝物を探している冒険家なんだ」と。
題号のアルケミストとは錬金術師のこと。作品の中では「前兆」と共に重要なキーワードになっていきます。そして「心」「大いなる魂」と矢継ぎ早にテーマを提示しながら物語の舞台が展開していきます。
サンチェゴが探し求めた宝物とは何だったのか。
それはどこにあったのだろうか。
サンチェゴはそれにたどり着くのか。
そしてどのようにその道を進み、岐路に立ったときにどのように判断し行動したのだろうか。
1988年の出版から1992年10月までにブラジル国内で300万部以上を売上げ、ブラジル大統領から市井の若者までが読んだという本書をじっくりと読み進めてみたいと思います。
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