今月の本: |
『ヴィルヘルムマイスターの修行時代』(ゲーテ)※前半 |
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実施日時: |
2013年3月30日(土)14:00〜17:00 |
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今月の会場: |
勤労福祉会館 和室(小)
西武池袋線大泉学園駅・徒歩3分 |
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参加費 : |
350円(会場費・資料コピー代に補填します) |
懇親会 : |
終了後希望者で懇親会を行います(会費2500円程度) |
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今回はヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテの代表作のひとつである『ヴィルヘルムマイスターの修行時代』を取り上げます。
8巻構成の作品であり、現在入手可能な岩波文庫版では上中下の3冊で販売されている長編作品のため、今月と来月の2回に分けて取り組みます。
桂冠塾ではゲーテの2作品『若きウェルテルの悩み』『ファウスト』を取り上げてきましたので3作品目となります。
本作品は8巻で構成され、主人公ヴィルヘルム・マイスターが成長していく姿が描かれていきます。
前半部分にあたる1〜5巻では、演劇の世界で生きていこうとするヴィルヘルムを描きます。しかし大きな成功を修めることができず、ヴィルヘルムは挫折を味わいます。
主人公は青年ヴィルヘルム・マイスター。
彼は裕福な商家に生まれる。幼少の頃に出会った演劇の世界に進むことを夢見て、自ら脚本を書くようになる。そしてその夢は演劇界の改革者になりたいと大きく膨らんでいきます。
彼は、演劇の夢を聞いてくれるマリアーネを愛するようになり、今住んでいる町を出奔して一緒に暮らしたいと願う。折しも商売の経験を積ませようと取引先へ旅行せよとの父の指示を利用して家を出ることを決意する。
ヴィルヘルムはまず自分だけが先に町を出て、どこかの劇団で頭角を現わしてからマリアーネを呼び寄せようと考えていた。しかしマリアーネとその母の生き方は現実的で、彼女達にはパトロンがいた。
そしてその事実を知ったヴィルヘルム。衝撃を受けて帰宅した彼は、彼女のマフラーの中からパトロンの手紙を発見する。苦悩が極限に達したヴィルヘルムは重い病に臥せた。病状から回復した彼は、過去の情熱を忘れるかのように黙々と家業に精励する。しかし演劇への思いは断ちがたく、ヴィルヘルムは意を決して演劇の旅へと出て行く。
出奔先の町でメリーナ夫妻が主宰する旅一座と出会ったヴィルヘルムは、彼らと一緒に旅を続けることになった。ある時、サーカスの団長から虐待されていた12歳の少女ミニヨンに会ったヴィルヘルムは、金を出して少女を引きとる。彼女は、ヴィィルヘルムを慕い、ヴィルヘルムもわが子のようにミニヨンに愛をそそぐ。また旅の途中で出会った不思議な竪琴ひきの老人とミニョンの孤独な魂は、虚実が入り交じった社会を漂流するようなヴィルヘルムの心を慰めてくれた。
その一方で時として懐郷の思いが去来するヴィルヘルム。魅惑的な一座の女優フィリーネはヴィルヘルムを誘惑の言葉で誘い、彼の望郷の思いを引き戻す。
そうした中で次第にヴィルヘルムに信頼を寄せていく芸人たち。
そしてメリーナは彼を説得して劇団を創立するための資金を出させたのだった。
一座を率いることになったヴィルヘルムの前途に次々と起こる事件とは...。
一人の人間が様々な出来事を経験して成長していく様を描いたとされる本作品を皆で読み進めてきたいと思います。
多くの方々の参加をお待ちしております。
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