今回はサン=テグジュペリの代表作『人間の土地』を取り上げます。
航空がまだ黎明期だった時代。
サン=テグジュペリは操縦士として生死の境を飛び続けました。
帰還しなかった同僚もいる中で、サハラ砂漠に不時着したサン=テグジュペリは奇跡的な生還を果たします。
その間の心の葛藤、疲弊していく身体と心。死と直面する日々を送るがゆえなのかサン=テグジュペリの語る人生の哲学は一つひとつの言葉に重みが増していきます。
目の前に雪に閉ざされた山脈や、乾ききった砂漠が現れるような描写の文章と心の襞を言葉にのせたかのような文章も俊逸です。
自身の現状とも重ね合わせながら読み進めたいと思います。
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