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今月は山岡荘八作『吉田松陰』を取り上げます。
日本人ならば誰もが「吉田松陰」の名前を聞いたことがあるはず。幕末日本において高杉晋作、久坂玄瑞をはじめとする倒幕の志士を輩出した私塾の主宰者です。
長州という一地方の藩から日本の未来を変えたその私塾は、松下村塾として有名になりました。
松下村塾の塾生からは伊藤博文など明治政府の中核をなした人材も登場します。
吉田松陰を突き動かしたものは何だったのか。
その原点はどこにあったのか。
あの時代、様々な兵法家や蘭学者たちが跋扈し、多くの私塾も開かれていた。
その中でなぜ松下村塾から綺羅星の如く人材が輩出したのか。
吉田松陰と歴史の狭間に埋もれていった彼らとの違いはどこにあったのか。
そして、松陰の思いはどのように弟子達に、後世に受け継がれたのか。
足るを知らなければ満足はなく
満足をすることを知らなければ感謝の念の湧きようもない。
そして感謝がないということは
きわめてあらわに
その人間の生涯の不幸を決定づけるということだった。
(『吉田松陰』陽は陽を孕むの章より)
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時代背景を抑えながら、歴史小説の大家・山岡荘八氏の筆による名作を読みたいと思います。
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