今月の本: |
『カラマーゾフの兄弟』(ドストエフスキー) ※前半 |
|
実施日時: |
2012年1月28日(土)14:00〜17:00 |
|
今月の会場: |
西武池袋線大泉学園駅・徒歩3分
勤労福祉会館 和室(小)
|
|
参加費 : |
350円(会場費・資料コピー代に補填します) |
懇親会 : |
終了後希望者で懇親会を行います(会費2500円程度) |
|
|
2012年の最初となる今月と来月(2月25日)の2回で『カラマーゾフの兄弟』を取り上げます。
何年か前に亀山郁夫氏の日本語訳でちょっとしたブームになったことを記憶している方も少なからずおられると思います。ドストエフスキーの代表作のひとつとされる作品です。
桂冠塾では『貧しき人々』に続いて2作品目となります。
作品の冒頭「著者より」の章で提示されるように、地主フョードル・カラマーゾフの3人の息子達ドミートリイ、イワン、アレクセイ(アリョーシャ)、なかんずくアレクセイの一代記として構成された作品です。
父フョードルの殺害とその事件をめぐる裁判をめぐって物語が進められます。
長男ドミートリイは、自分に残された遺産を放蕩で散財し、遺産の相続と魅惑的な女性グルーシェンカをめぐって父親と激しく憎み合い、自らの邪な気持ちから陥落させた婚約者カチェリーナには負い目を感じて自ら身を引こうとする。
苦学して優秀な成績を修めた次男イワンは翻訳等の仕事で生計を立てていたが、突然父の住む郡に戻って一緒に暮らし始める。兄の婚約者カチェリーナを愛しており、彼女を冷遇する兄ドミートリイを恨んでいた。
皆に愛される性格でキリスト教の信仰の厚い三男アレクセイは敬愛するゾシマ長老に師事し、修道院での生活を始める。
父フョードルはどこにいても道化師の振る舞いをする男だった。
長男ドミートリイは最初の妻との子供、二男と三男は2番目の妻の子供で、今は使用人3人とイワンとの生活を自由気ままに過ごしている。
フョードルとドミートリイの諍いが激しくなり一族が揃って長老ゾシマを訪ねるが、その場でもフョードルが嘘とでたらめの作り話に終始。同席したミウーソフは激怒。その場はめちゃくちゃに。
そんな出来事の後、フョードルが他殺体で発見される。真っ先に嫌疑がかけられたのは事件当日にフョードルの屋敷に忍び込んで使用人のグリゴーリイを襲って大怪我をさせたドミートリイであった。女性問題をめぐってフョードルと争っていたことや、殺害されたフョードルの傍にあった大金が無くなっていたが借金を抱えていたのに大金を持っていたこともあり、ドミートリイへの嫌疑が深まっていく。
周囲の人達はドミートリィが父親を殺したのだと信じて疑わない。ドミートリイは無罪を主張。婚約者カチェリーナはドミートリィの犯罪だと考えて減刑のために弁護士をつけた。一方でドミートリィの無罪を信じるグルーシェンカ。アレクセイはドミートリィの無罪を信じている。次兄のイワンは当初ドミートリィの犯行だと見ていたが...。
真実はどこにあるのだろうか。
この作品は様々なテーマが提示されていることでも有名です。信仰や死、国家と教会、貧困、児童虐待、父子・兄弟・異性関係などさまざまなテーマが登場人物によって提示され、議論が展開されていきます。
今月と来月の2回をかけて様々な角度から読み進めてみたいと思います。
|