今月の本: |
『光あるうち光の中を歩め』(トルストイ) |
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実施日時: |
2016年4月16日(土)14:00〜17:00 |
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今月の会場: |
サンライフ練馬 第二和室
西武池袋線中村橋駅 徒歩5分 |
参加費 : |
250円(会場費・資料コピー代に補填します) |
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懇親会 : |
終了後希望者で懇親会を行います(会費2500円程度) |
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ロシアの文豪トルストイの後半生を代表する短編作品の一つです。
貴族の家系を出自に持つトルストイは、教育と農奴制の改革を志し、さらに文豪としての名声と富を得ますが次第に人生の意味に疑問を感じるようになっていきます。
様々な紆余曲折を経て、原始キリスト教的な考え方に収斂されていきますが、本作品はそうしたトルストイの思索の中で生まれたと見ることができます。
主な登場人物は、シリア出身の商人ユヴェナリウスの一人息子ユリウスと、ユヴェナリウスの奴隷の子供パンフィリウス。二人が年数を重ねる中で対象的な人生を送る形で物語が進んでいきます。
物語はキリスト逝去から100年の時代。皇帝トラヤヌスが政治を行なっていた当時、イエス・キリストの弟子たちはユダヤ教から派生した異端の教えとされておりその信者は社会的にも異質とされていました。
ユリウスの父は苦労して仕事で成功した宝石商。町の人々の尊敬も集めています。
ユリウスとパンフィリウスはは親友で美男子。同じ哲学者のもとで学問を学びますが、パンフィリウスは引っ越すことになり途中で学問を辞めて町を去りました。
2年後、町の往来で再会した二人。パンフィリウスはキリスト教徒として多くの信者と共に共同生活をしていることを話します。当時キリスト教徒は陰謀の一味徒党とみなされていましたが、パンフィリウスは実際にどのような生活をしているか見にきてほしい、一緒に暮さないかとユリウスを誘います。
ユリウスはパンフィリウスの誘いを断り、商人としての生活を続けます。
その後もユリウスはキリスト教徒としての生活に入る機会に遭遇しますが、その都度考えを思い留まらせて現状の生活を続けるのですが4回目の機会を迎えたときユリウスはついにキリスト教徒の門をたたきます。 その後のユリウスの人生は...。
題号の「光あるうち光の中を歩め」という言葉は、ヨハネの福音書12章35節からとられています。
トルストイが描き、自らが歩もうとした人生はどのようなものであったのか。
そしてその根源にある思想はどのようなものであったのか。 共々に考えてみたいと思います。
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