今月の本: |
『背教者ユリアヌス』(辻邦生)※後半 |
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実施日時: |
2013年7月27日(土)14:00〜17:00 |
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今月の会場: |
サンライフ練馬 第二和室
西武池袋線中村橋駅・徒歩5分 |
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参加費 : |
350円(会場費・資料コピー代に補填します) |
懇親会 : |
終了後希望者で懇親会を行います(会費2500円程度) |
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先月に引き続き辻邦生作『背教者ユリアヌス』を取り上げます。
作品の後半は、兄ガルスが処刑された後、ユリアヌスが皇后エウセビアの献身的な保護を受けながら書生として生きることで活路を見出そうとします。そしてユリアヌスは次第にギリシア神教に思いを傾けていきます。
一方で東方にペルシアと戦争状態を続けつつ、ガリア地方に政治的不安を抱える皇帝コンスタンティウスは、生き残っている唯一の一族であるユリアヌスを副帝としてガリア統治に向かわせる決断を下す。
ガリアに赴いた以降のユリアヌスは、統治者としての技量をいかんなく発揮していきます。ガリアを平定したユリアヌスに対して、ペルシア討伐のためにガリア軍をアルプスを越えて東方へ派遣せよとの皇帝の命令が届きます。ローマ帝国には「ガリア軍をアルプス山脈の向こうに連れていけない」との法律があった。
しかし皇帝への忠誠を試されたユリアヌスは、苦渋の末に東方派遣を実行することを決意し、ガリアの兵士達を説得するために演説に立ちます。
しかしガリアの民衆が選択した行動は、ユリアヌスの皇帝推挙であった。
コンスタンティウスとの対決を避けられなくなり、皇帝に推挙されたユリアヌスはガリア兵士達と共に東方へと進軍し、皇帝コンスタンティウスが率いる正規軍と対峙していく...。
智謀と策略が渦巻くローマ帝国を二分する内乱は予想外の展開でコンスタンティウスとの激突が消えたユリアヌスは、彼自身の命運を賭して、更に東方へと兵を進めていきます。
そして物語は、さらに東方へ、チグリスユーフラテス川流域へと舞台を移し、命運を決する時を迎えます。
果たしてローマ帝国はどうなるのか。
ユリアヌスが夢見た理想の国家は実現への道を開くことができるのか。
統一ローマが東西に分裂せざるを得なかったこの時代。
国家の理想とは何かを思索し続け、理想国家の実現を夢見て戦い続けた皇帝ユリアヌスの生き方を辿ってみたいと思います。
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