今月の本: |
『魔の山』(トーマスマン)※後半 |
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実施日時: |
2013年10月26日(土)14:00〜17:00 |
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今月の会場: |
勤労福祉会館 和室(小)
西武池袋線大泉学園駅・徒歩3分 |
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参加費 : |
350円(会場費・資料コピー代に補填します) |
懇親会 : |
終了後希望者で懇親会を行います(会費2500円程度) |
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先月に引き続きトーマス・マンの『魔の山』を取り上げます。
主人公ハンス・カストルプは想定外であった療養生活を余儀なくされますが入院患者として過ごす国際サナトリウム「ベルクホーフ」で出会った人々、中でもセテムブリーニとナフタとの会話を通じて様々なテーマについて論じていきます。
病気と死、スコラ哲学、精神性の二元論、経済活動と政治、そしてウェルギリウスから神の国と救済の在り方について議論が及ぶと、ナフタは恐怖政治を肯定するに至ります。
激論を戦わすのはセテムブリーニとナフタの2人であり、主人公たるハンスカストルプはただ聞き役に徹しているのも特徴的と言えます。
そんな中、ハンス・カストルプがあまりにも美しい雪に魅せられて純白に輝く雪山に入っていきます。読者にとって強烈な印象が残るシーンの一つだと思います。
そして物語の最終局面に至って第一次世界大戦が勃発します。
「魔の山」を降りて戦場へと向かうハンス・カストルプの胸中にはどのような思いが去来していたのでしょうか。
とかく難解とも書評される作品でもありますが、愛読書としていた世代の方も多くおられたと聞きます。今年公開されたジブリ映画『風立ちぬ』の中で軽井沢のホテルに滞在しているドイツ人の名前が「カストロプ」であり、彼の口から「魔の山」の言葉が発せられていることからも、監督の宮崎駿氏や原作者である堀辰雄氏がトーマス・マンの『魔の山』を重要視していることが推察されます。
どんな思いで読み継がれてきたのか、様々と思いが巡ります。
当日のご参加お待ちしております。
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