プロセキュート
 ※第2期
【第9回実施内容】 ※通算31回
テーマ: 情報収集と市場需要の測定
実施日時: 2006年4月7日(土)14:00〜17:00
会場: サンライフ練馬(第二和室)
西武池袋線中村橋駅・徒歩5分
【主宰者から一言】
通算31回となる今回は、経営に必要な情報収集の実務と収集した情報をもとに、いかに今後の需要を予測し戦略を修正していくのかという視点で進めます。
前回は、市場は常に変化しているという現実に対して市場志向型戦略を計画する方法を論じました。そうした戦略を実際に計画実行するためには、市場機会を正確に把握分析することが不可欠です。
そのために必要な社内システム、いくつかのマーケティングシステムと意思決定サポートシステムについて考察していきたいと思います。
■当日の実施項目
時間帯 テーマ・内容
14:00 〜 社内記録システム
14:30 〜 マーケティング・インテリジェンス・システム
15:00 〜 マーケティング・リサーチ・システム
16:20 〜 意思決定サポートシステム
16:45 〜 売上予測と需要測定
■今回のポイント
変化し続ける市場に立ち向かう要諦は、情報収集と需要の測定である。
これが今回のポイントです。
現在、行政等の後押しもあって「第二創業」や「再起業」がひとつのテーマになっています。企業家育成や一度失敗した経営経験者による再チャレンジの支援は重要な課題ですが、制度面や資金面の支援だけでは同じ過ちを繰り返さないという保証はどこにもありません。
問題を克服するためには「なぜ失敗したのか」「事業が行き詰った原因はどこにあるのか」という徹底した原因追究とともに、「成功するためのポイントは何か」「実行し続けるためには何が必要か」という目標達成のための指針と実行力の養成が不可欠です。
もちろん経営者としての熱き思いは大前提ですが、熱誠に加えて事業を成功させるためにはいくつかの要諦があります。
そうした重要な視点のひとつとして、今回から4回(予定)にわたり、事業機会を分析するポイントを考えてみたいと思います。
■主なテーマ
変化し続ける市場に立ち向かう要諦は 情報収集と需要の測定
・ 地域から国、国から地球規模へ
・ 買い手ニーズから買い手欲求へ
・ 価格競争から非価格競争へ

情報の作成源
1. 社内記録
2. マーケティング・インテリジェンス活動
3. マーケティング・リサーチ
4. マーケティング意思決定サポート分析

社内記録システム
注文から支払いまでのサイクル
販売情報システム

マーケティング・インテリジェンス・システム(MIS)
今起こりつつある変化のデータを提供するシステム
マーケティング環境において起きている状況について、情報を得るために利用する手順と情報源

MIS構築のポイント
経営者としての視点
1. どのような決定を定期的に下しているか (日次、週次、月次、四半期、年次)
2. 決定に必要としている情報は何か
3. 定期的に入手している情報は何か
4. 定期的に行なっている調査は何か
5. 現在入手していないが、必要としている情報は何か
6. どのようなデータ分析を望んでいるか

MIの収集と質的向上
1. セールスフォースをMI収集者に育成する
2. 仲介業者をMI収集者に育成する
3. 公表データから他社情報を収集する
4. 顧客代表を組織化する(モニター)
5. 外部業者からデータを購入する
6. MIを収集管理閲覧をする専門セクションを設置する

マーケティング・リサーチ・システム(MRS)
定義:企業が直面する特定の市場状況に関するデータと調査結果のデザイン、収集、分析、報告。

MRの実施者
・ 自社内のMR部門
・ MR会社
・ 産学協同プロジェクト
・ 業務従事者

MRのプロセス
1:問題と調査目的の明確化
問題を定義する
調査目的の分類
・ 探索型
・ 記述型
・ 因果型

2:調査計画の策定
必要な情報を収集するために最も効率的な計画を作成する
調査のコストを把握する
調査計画の立案ステップ
(1) データ情報源の決定
2次データ
・別の目的のために既に存在しているデータ
・低コストで入手可能
1次データを収集しなくても問題を解決できるか確認する
1次データ
・特定の目的のために収集される独自データ
・必要な2次データが存在しない、不完全である、現状を反映していない

cf.→ 顧客(見込み客)データベース
cf.→ データ・マイニング

(2) 調査手法の決定
@ 観察調査
A フォーカス・グループ調査
B サーベイ調査
C 行動データ調査
D 実験調査

(3) 調査手段の決定
・ 質問票
・ 機械装置

(4) サンプリング計画の策定
@ サンプリング単位(調査対象者)
A サンプル・サイズ(調査対象人数・票数)
・標準誤差
B サンプリング手段(対象者の選択)

(5) コンタクト方法の決定
・ 郵送
・ 電話
・ 対面
・ Web

3:情報の収集(調査の実施)
・最もコストがかかるステップ
・誤差が生じやすい

4:情報の分析

5:調査結果の報告

マーケティング・リサーチの障害を克服する
・ MRを狭く捉えている
・ リサーチャーの力量にばらつきがある
・ MRの調査結果のレスポンスが遅く、時として誤りがある
・ パーソナリティや立場上の相違が障害になる
・ マーケティング神話に惑わされている

→優れたマーケティング・リサーチの特徴

マーケティング意思決定サポートシステム(MDSS)
定義:データ、システム、ツール、サポートなどのソフトウェアとハードウェアの技術を収集、カスタマイズしたものである。事業体は、ビジネスや環境から関連のある情報を収集、解釈し、マーケティング行動の基盤とする。

MDSSに使われる数量的ツール

売上予測と需要測定
市場機会を特定することがMRの大きな目的の一つである。

市場の需要測定レベル
1:製品レベル
2:空間レベル
3:時間レベル

測定すべき市場
1:潜在市場
2:有効市場
3:対象市場
4:浸透市場

需要の概念

1:市場需要
・ 需要関数
・ 売上予測
・ 潜在力

2:企業需要
・ 需要関数
・ 売上予測

「マーケティング計画は売上予測に基づいて行なわれるべきだ」という誤解
売上予測はマーケティング支出計画の結果にすぎない
→販売割当
→売上予算
・ 潜在力

現時点での需要を評価する
総市場潜在力
地域市場潜在力
→市場積上法
→複数要素指数法

業界売上と市場シェア

将来の需要を評価する
購買者の意向調査
セールス・フォースの意見
専門家の意見
過去の売上分析
市場テスト法

(参考)市場調査の分類方法

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